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映画Motherマザーの元ネタの老夫婦殺人事件は実話?!

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映画Motherマザーは、2020年7月3日に全国の映画館で公開されています。実際に現実で起きた、17歳の少年が起こした殺人事件を基に作られた作品で、息子を学校に行かせることなく、仕事をさせ、稼いできたお金を全てホストクラブなどに使ってしまう母親を、女優・長澤まさみさんが演じたことで話題になりました。

今作の総指揮をになったのが『セトウツミ(2016)』『日日是好日(2018)』や『タロウのバカ(2019)』などを手がけてきた経歴のある大森立嗣監督です。

今回は、現在全国で上映されている映画Motherマザーのあらすじ、原作と言われる実際の事件について詳しく紹介していきます。


映画Motherマザーのあらすじとキャスト

鑑賞後、ずっしりとのしかかる余韻から抜け出せない人が続出しているように見えます。

三隅秋子(長澤まさみ)

父親が異なる息子と娘をもつシングルマザーで、17歳の息子・周平には学校に行かせることなく働かせ、給料を全て横取りしては、ホストクラブや男に使い果たしてしまう毎日を送ります。子どもたちのことは、秋子なりの愛情を示していますが、あまりに歪んだその愛こそ、周平を取り返しのつかない”あの事件”を起こすきっかけを作ってしまいます。

息子・周平(奥平大兼)

学校に行きたいと頼んでもお金がないと行かせてもらえず、荒れてしまっても無理ない環境下でも懸命に母のために働きます。そんなひどい生活を送る彼らに手に負えなくなった親戚からは、次第に距離を置かれ、孤立し、ますます自分の世界には母親以外いなくなってしまい、17歳の若さで殺人を犯してしまいます。しかし、それは、周平には、大切なあるものを守りたかっただけで、それはなんだったのでしょうか。

川田遼(阿部サダヲ)

秋子がお金を使い果たしてしまうホストクラブ勤務のホストで、周平の義父に当たります。二人は結婚していないものの同居をしており、遼は、お金にルーズで多額の借金をしてしまいます。借金取りに追われる生活の中、秋子とその子どもたちの存在が煩わしくなり、自分勝手な行動を取り始めます。

高橋亜矢(夏帆)

今作で、欠かせない存在が夏帆さん演じた児童相談所勤務の高橋亜矢です。親戚からも距離を置かれ、救いようのない生活を送る周平たちを唯一助けたいと健気に向き合います。作品の中でも、終始、報いのない展開が続く中で、平穏を感じられ、希望が見える瞬間を彼女が作り出しています。彼女のハッスル言葉に心打たれたという声もたくさん上がっています。このような複雑な家庭問題を解決するのに、必要なキーパーソンであると言えます。


映画Motherマザー元ネタの殺人事件とは?実話って本当?

2014年3月末埼玉で起きた『川口高齢夫婦殺人事件』が映画Motherマザーで描かれた実際に起きた事件だと公表されています。事件から3年後には、毎日新聞記者によって壮絶な少年の日常が書き起こしをされています。

映画Motherマザーの元ネタ:川口高齢夫婦殺人事件の全貌

事件は、3月29日。アパートの一室で、刺された跡がある高齢夫婦の遺体が発見されます。警察の調べから、争った痕跡はなく、玄関は施錠された上に、固定電話が盗まれていることがわかっていました。

それから5月20日に、防犯カメラや近隣の情報から「被害者夫婦を刃物で刺し、キャッシュカードを奪った」罪で逮捕されたのが被害者夫婦の孫である17歳の少年でした。彼こそが、映画Motherマザーで登場する周平です。

5月28日17歳少年の母親が、少年の殺害に加担したとの罪で逮捕されます。しかし、母親が被害者夫婦のアパートの一室に侵入した形跡は残っていないため、あくまで殺人を行ったのは息子であると、その後の判決に下されます。

また、調べによると、少年が祖父母を殺害したのは、4月26日で、事件発覚の3日前であることがわかっています。

逮捕された二人は裁判の結果、「息子の少年、懲役15年」と「母親の女性、懲役4年6月」と判定を受けます。

映画Motherマザーの元ネタ:裁判の中で息子の少年による証言

母親の女性は、当時、被害者夫婦の両親から多額の借金があったため、息子に「殺してでも金を借りてきなさい」と煽ったことが少年の証言から明らかになります。その言葉が現実となり、殺害後、手ぶらで戻ってきた少年に、再度、両親宅へ侵入させ、現金8万円とキャッシュカードを窃盗させたことが明らかになります。

弁護側は、少年の殺害は、日常的に受けてきた母親からの間違った育児や不当な教育環境から、心理的・精神的に追い詰められたものであると主張しますが、検察側は、母親の発言は、殺害を助長するものでないと主張し、結果、殺人罪に問われるのは息子の少年のみとなり、少年と女性とで、罪の重さが大きく分かれることとなりました。

なぜ殺人事件を元ネタにして映画Motherマザーが生まれたのか

今作を手がけた大森立嗣監督は、インタビューで「社会的にアウトになった人たちを生んでしまった、ぼくたち自体を考え直さないといけない」と答えています。

母親の秋子は、どこで違う道を選んでしまったのでしょうか。両親から育てられ、妹や親戚は真っ当な道を生きている様子から、決して不自由な幼少期を過ごしてきたとは言えません。身内の中で、一人だけ荒れた生活を送り、歪んだ愛を息子に振りかざし、自分は都合よく男を取っ替え引っ替えし、短期的な喜びだけを考えて生きる毎日を送ることになった原因はなんだったのでしょうか。もしかすると、秋子のような人間は、決して他人事ではないのかもしれません。今まで、不自由なく生きてきたとしても、未来の自分は、秋子のように墜落した人生を歩むことになることも考えられます。

実際に祖父母を刺殺した少年と普通とは言えない子育てをして子どもの人格を歪ませてしまった母親だけが悪かったのでしょうか。法律や常識は欠かせないものですが、それだけに従って善悪を判断するのは社会のためとは言えません。この映画は、「より良い社会」を作るために重要なことは、決められた尺度を振りかざして解決できるほど単純ではなく、常に人々が互いの心に寄り添い、考えを持つことではないか、と問ていると言えます。


まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、映画Motherマザーのあらすじや元ネタとなった川口高齢夫婦殺人事件について紹介しました。

近年でも、家族内での殺人事件や育児放棄など家庭の問題は深刻化をしている現代社会において、このような加害者の心情や環境を知ることは、悲しい事件と向き合い、社会問題の関心を高めることに繋がります。心に残る映画であること間違えなしの映画Motherマザー、ぜひ鑑賞してみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。