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2018年9月15日に惜しまれながらこの世を去った、日本を代表する名女優、樹木希林さん。
生前に主演した作品はどれも日本の映画史に残る名作ばかりで、特に晩年の活躍は目覚ましく、多くの人の心にいつまでも残り続ける数々の作品をこの世に残していきました。
その演技は日本アカデミー章最優秀主演女優賞をはじめとする数々の栄えある演技賞を受賞し、日本のみならず世界からも高い評価を得ており、「日本映画界の宝」と言っても過言ではない名女優です。
今回はそんな樹木希林さんが生前に出演した最後の日本映画をご紹介します。
また、ご一緒に彼女が出演した歴代の映画作品の中から個人的におすすめの映画も3作品厳選してランキングでご紹介しますので、ぜひご覧ください。
樹木希林が出演した最後の日本映画は?
樹木希林さんが生前に出演した最後の日本映画は「命みじかし、恋せよ乙女」です。
ドイツ映画の「Cherry Blossoms and Demons(原題)」が「命みじかし、恋せよ乙女」の邦題で、2019年8月16日に公開された樹木希林さんが初めて出演した海外制作作品で、初の世界デビュー作にして生涯最後の日本映画です。
監督はドイツにおける最も成功した女性監督の1人として称えられるドーリス・デリエ監督が務めました。
親日家と言われるデリエ監督は30回以上も日本を訪れ、これまでに桃井かおりさん主演の「フクシナ・モナムール」をはじめとする5本の映画を撮影しています。
日本文化をこよなく愛するデリエ監督が2015年に公開された、樹木希林さん主演の映画「あん」を観て感動し、樹木希林さんにオファーしたことがきっかけで今回の出演が実現しました。
今作の物語は酒に溺れて仕事と家族を失ったドイツ人男性のカールのもとに、ある日突然、ユウという日本人女性が訪ねてくる場面から幕を開けます。
ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父親のルディと親交があり、ルディの墓と生前の家を見に来たのだという。 カールは風変わりな性格のユウと過ごすうちに、徐々に彼女に惹かれていくのですが、その矢先、彼女は突然姿を消してしまいます。 カールはユウを探すために日本を訪れ、樹木希林さん演じる、ユウの祖母と出会うのですが、カールはそこでユウについての衝撃の事実を聞かされるのでした。
物語の前半ではドイツと日本が共に抱える様々な社会問題(性同一性障害、引きこもり、アルコール依存症、単身老人世帯など)についての考えさせれる思慮深いシーンが多く描かれ、場面が日本に移る後半では日本的情緒が要所要所に感じられるシーンが描かれています。 樹木希林さんはユウの祖母であり、茅ケ崎にある老舗旅館「茅ケ崎館」の女将を演じています。
今作では樹木希林さんは脇役で出番はかなり少なく、ラスト20分のシーンのみの登場となっていますが、物語の最も重要なシーンの重要な役を担っています。
酒に溺れ、仕事と家族を失い、心をズタボロに引き裂かれたカールに対し、樹木希林さん演じる女将がかけた「あなた、生きているんだから、幸せになんなきゃダメね」と優しくそっと背中を押す言葉は、まるで現実の樹木希林さんからの最後のメッセージのように思えて思わず涙してしまいます。
自身の死が迫っていたことを理解し、かつ今まで様々な人生経験を過ごしてきた樹木希林さんが紡ぎ出した言葉だからこそ、その言葉が心に染み渡ります。
ラストシーンで、樹木希林さんが茅ヶ崎館の美しい庭を眺めながら、黒澤明監督の映画「生きる」に出てくる有名な大正歌謡の「ゴンドラの唄」を歌うシーンが彼女の女優人生最後のシーンとなりました。
樹木希林が出演した最後の日本映画 「命みじかし、恋せよ乙女」についての感想や評価
「命みじかし、恋せよ乙女」と出演した樹木希林さんについてご紹介しましたが、実際に映画をご覧になった方たちは今作品の樹木希林さんにどのような感想や評価を感じたのか気になると思いますので、少しご紹介します。
一昨日になるが「命みじかし 恋せよ乙女」観てきました。樹木希林さんの世界デビュー作として話題になっている作品ですが、この映画も良かった。樹木希林さんの台詞で「あなたせっかく生きてるんだから、幸せにならなきゃだめね。」という言葉が自身の心にズシーンと響いた。儚くも美しい物語だった。 pic.twitter.com/bPCnV8Qe98— APT (@APT01787557) October 23, 2019
やはり、樹木希林さんの劇中での台詞「あなた、生きているんだから、幸せになんなきゃダメね」は多くの人の心に響いた、今作を象徴する名シーンとなっているようですね。
本日はこれ。#命みじかし恋せよ乙女 わたしの好きだった樹木希林さんの世界デビュー作であり遺作。 生死にまつわる不思議なストーリーで、現実なのか違うのかわからないシーンも多かったけど、彼女の歌うゴンドラの唄は、心にくるものがあるんだよね。 命みじかし恋せよ乙女https://t.co/4Jmq591hGs pic.twitter.com/FUqmy6ugix— きゅうちゃん ≡ 📪 9/25 thetelephones 横浜1000 (@kyu_chan_ebicha) March 1, 2020
言葉や台詞だけでなく表情や佇まい、その全てがリアルで、思わず惹きつけられてしまう圧巻の演技は樹木希林さんの真骨頂のように思えます。
樹木希林さんの名演技もさることながら、リリーフランキーや安藤サクラ、松岡茉優といったキャストの名演技が素晴らしい作品ですので、「万引き家族」ぜひご覧ください。
樹木希林が出演したおすすめ映画ベスト3 第2位「借りぐらしのアリエッティ」
ここで同じ映画作品の中でも少し趣向を変えた作品をご紹介したいと思います。
既にご存知の方もおられると思いますが、樹木希林さんは声優としてもご活躍され、何度も劇場アニメ作品や吹き替え作品に出演されています。
声優業が本職なのでは?と思わされる樹木希林さんの声優としての素晴らしい演技力もぜひご紹介したいと思いましたので、2位に選ばさせていただきました。
今回ご紹介するのは2019年に公開されたスタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」です。
今作は人間の世界から自分たちの生活に必要なモノを少しずつ借りてきて、床下で「借りぐらし」の生活をする小人のアリエッティとその屋敷に暮らす人間の少年の翔とのひと夏の出会いを描いた物語です。
今作では樹木希林さんは翔の祖母の妹である貞子の屋敷に長年住み込みで働いている家政婦のハルを演じています。 ハルはかつて自分が小人を見た際に誰にも信じてもらえなかったという過去の悔しさを晴らすために、昔から小人が出ると言われてきた屋敷で、躍起になって小人を捕まえようとします。
ハルはアリエッティの母のホミリーを捕まえて物置きのビンに閉じ込めたり、捕獲のためにネズミ捕り業者を依頼したり、翔がアリエッティと接触していると勘付くと翔を部屋に閉じ込めたりとあの手この手を使って、アリエッティ一家と翔の邪魔をしてきます。
アリエッティ一家と翔の前に立ちはだかる今作の敵役で意地悪な性格でありながらどこか憎めない一面がある難しい役を樹木希林さんは見事に演じ切っています。
「借りぐらしのアリエッティ」についての感想や評価
「借りぐらしのアリエッティ」に出演した樹木希林さんについてご紹介しましたが、実際に映画をご覧になった方たちは今作品の樹木希林さんにどのような感想や評価を感じたのか気になると思いますので、少しご紹介します
『借りぐらしのアリエッティ』 翔とアリエッティのすれ違いが切ない。 小人を愛せたら、それは純愛。彼女に想いを寄せる翔を観ながら、煩悩まみれの自分に気付いた。ほんの僅かでも彼の様であったら、成就した恋もあったのかな。笑 家政婦をどこか憎めない。それは、樹木希林さんの声のおかげだろう。 pic.twitter.com/dVSKVq8bxy— Old Boy Films (@SoloJokerHunt) September 3, 2020