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オリエント急行殺人事件は、アガサクリスティーの原作「オリエント急行の殺人」を原作としています。
最初に映画化されたのは1974年で、その後2015年にフジテレビの開局55周年を記念して三谷幸喜監督によりドラマ版が制作されたほか、2017年にもハリウッドで映画化されています。
ネット上では日本版が一番面白い、いや2017年の映画の方が面白いといった意見が飛び交っています。
そのため、原作と2017年の映画ではどのような点に違いがあるのか気になります。
この記事では、2017年に公開された映画化の犯人は誰かを中心に、結末のネタバレや原作との違いを紹介していきます。
オリエント急行殺人事件(2017年映画)の犯人は○○だった!
オリエント急行殺人事件の犯人は、実は12名の乗客全員でした。
殺害されたラチェットという男の体には12か所の刺し傷があり、12名全員がラチェットに恨みを抱えていたことになります。
では、殺害されたラチェットと犯人12名との間には何があったのでしょうか。
その事件の真相に迫っていきます。
ラチェット殺害のキッカケとなったアームストロング家の誘拐事件
12名の乗客がラチェットに恨みを抱えるきっかけとなったのが、アームストロング家の誘拐事件です。
その事件は、アームストロング家の「デイジー・アームストロング」という3歳の少女が、犯人であるカセッティに誘拐され身代金を要求されたのちに、その少女が殺害されてしまった事件のことです。
あまりの事件にショックを受けたデイジーの母親・ソニアは身ごもっていた赤ちゃんと一緒に自殺をしてしまいます。
また、容疑をかけられたメイドも自殺し、デイジーの父親も拳銃で自殺をするなど悲惨な事件が起きました。
2017年公開映画のオリエント急行殺人事件の結末をネタバレ
殺害されたラチェットは、アームストロング家の誘拐事件の犯人であり、逃亡したのちにカセッティからラチェットと名前を変えて過ごしていました。
そして、ラチェットを殺害した12名の乗客は、当時アームストロング家に仕えていた執事やアームストロング家の血縁者、アームストロング家で働いていた人間といった、アームストロング家と何らかの関わりのある人物でした。
事件は闇の中?
物語のラストは、ポアロがでっち上げた嘘の真相によるものです。
事件を解決したポアロは、主犯であるハーバード夫人に拳銃を渡し、ポアロを殺して事件を迷宮入りさせるか罪を認めてもらうかの2つの選択肢を与えました。
しかし、事件の真相は分かったもののポアロは善と悪のどちらかでは解決できないことを受け入れ、2つの真相を提示しました。
一つは前述の通りですが、もう一つはラチェットは暴漢に襲われ犯人は既に逃亡済みというものです。
ポアロは番組の冒頭で2つの卵の大きさをミリ単位で比べたり、相手のネクタイが少しでも曲がっているのが許せないほどの完璧主義者です。
その性格から、この世には「善と悪のどちらかしかない」と考える二元論者でした。
しかし、今回の事件の真相を知ったポアロは善と悪だけでは割り切れないことに直面しました。
ポアロはこの世は善と悪だけでは解決できないことを知り、ラチェットは暴漢に襲われたという嘘の内容を警察に伝えました。
そのため、オリエント急行殺人事件の犯人は誰もいないということになります。
2017年の映画オリエント急行殺人事件と原作に違いはある?
原作が実写化されたときに気になるのが、やはり原作と実写化の違いです。
2017年に公開されたオリエント急行殺人事件は原作とどのような違いがあるのか、大きく違う点を紹介していきます。
オープニングから違う
原作は、シリアの冬の朝、五時。アレッポ駅のホームから物語は始まります。
しかし、映画のオリエン急行殺人事件は、オリエント急行とは全く関係のないエルサレムの事件を解決するところから始まります。
また、映画では探偵ポアロの推理力や卵のサイズがミリ単位で違う点やネクタイが曲がっている点、善と悪しかないといった、完璧主義や二元論者であるシーンが盛り込まれています。
ポアロの性格が変わっている
オリエント急行殺人事件の2017年版を見たのだけどやっぱりポアロが違うなあという印象。
筋も犯人もラストも知っているけどストーリーは面白くて映画は楽しめたけどこのポアロに慣れるまでちょっと時間かかった。— 吉岡紆尽 (@aprmana) June 20, 2018
原作と映画では、ポアロの性格が少し変わっています。
原作のポアロは、冷静沈着で淡々と事件を解決していきます。
一方、映画のポアロは情熱的な性格となっており、少しごり押しで事件を解決していくような人情味のある性格となっていました。
コンスタンティン医師は登場しない
原作では探偵のポアロと医師のコンスタンティン医師により、事件の調査を進めていきます。
しかし、映画では原作のアーバスノット大佐が黒人の医師に変更されています。
アクションシーンが追加されている
原作は、車内でのシーンが淡々と続きます。
オリエント急行殺人事件見てきました!ポアロの貴重なアクションシーンに興奮し、真相を暴くラストは緊張感があり面白かった👏 pic.twitter.com/F8vov4w5jl
— キキ (@kikinokikino) December 9, 2017
映画では車内から出て、ポアロが列車の屋根の上に上がってラチェットの秘書を追いかけたり、ポアロのアクションシーンが追加されています。
また、ポアロがアーバンノット医師に銃で撃たれそのまま戦闘に入るシーンもあり、映画ならではの迫力あるオリジナル演出が追加されています。
事件を解決する場所が変わっている
【オリエント急行殺人事件】(2017年)
小説『オリエント急行の殺人』を豪華キャストで再び映画化。
1974年版よりも重厚な趣きがある。
トンネルのアーチを背に容疑者を並べたシーンは“最後の晩餐”に見立てたものだろう。
次々と明かされる乗客たちの過去。
天秤にかけた善と悪はどちらに傾くのか。 pic.twitter.com/b9KbRAXNPO— mom (@mom_hunter) October 3, 2018
原作では、オリエント急行の中で事件が起き、そして車内で事件を解決しています。
しかし、映画では事件を解決する場面はトンネルの中で容疑者である12名全員が横一列に並んだ状態になっています。
その様子はさながらレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を模しています。
「最後の晩餐」はイエスが処刑される前夜に12人の弟子と食事をすることから「最後の晩餐」と呼ばれており、真ん中にはイエス・キリストが描かれています。
そして、映画でも12名の人物が登場し、真ん中には主犯であるハーバード夫人が位置しています。
つまり、映画の中ではハーバード夫人がイエスと同じ存在を意味していることになります。
事件の結末をどう処理したかが変わっている
原作のラストでは、ポアロが見事に乗客のアリバイを見抜きそれで事件が解決されるかのように見えましたが、もう一つの推理を披露しました。
それに賛同したコンスタンティン医師と口裏を合わせ、事件は闇の中に消えるというものでした。
しかし、映画ではトンネルの中で推理を披露していました。また、今回の事件の真相が善良な人間による悪人の殺害といった、善と悪だけでは判断できない場面に直面します。
その結果、ポアロはどうするか苦悩するシーンが加わっています。
原作も映画も事件は闇の中に消えますが、映画ではポアロの人間性が垣間見えました。
まとめ
2017年に公開された映画は、原作に忠実に再現されているほか、映画特有の迫力のある演出や豪華俳優陣により人気となりました。
犯人が乗客である12名全員という衝撃な結末やポアロの謎解きシーンは、原作を読んでいない方でも楽しめる作品となっています。